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当たったらどうすんだよ

当たらなければどうということはない

ぼくがコンテンツ制作記事を書く理由

Blender UE4 UE4にオリキャラを導入したい ゲーム制作

前回の連続エントリでは「UE4のテンプレートに自分で作ったキャラを入れて動かしたい」と題して、Blenderを使い、自分でモデリングして骨を入れ、モーションを付けてFBXに吐き出し、UE4にインポートしてThirdPersonキャラクタとして動かすまで、を解説しました。

そして今後は、さらに一手間加えて「味わい深いキャラクタ」に仕上げていったり「わりと他では説明していないこと」を解説していくことをテーマに、記事を進めていきたいと思います。

デザイナーサイドの欲望を満たす

これらの記事を書こうと思った理由はこれです。テックサイド(技術開発分野)の方々は、どうしても機能やアルゴリズムといった「何かを実現するための技術」や「既知の問題点を克服するための技術」に興味がいくものです。また、こうした興味や研究がない限り、なにも実現することができなくなってしまいます。

しかし、ぼくのようなデザイナー側の興味というのは「とにかく可愛いものを作りたい」だとか「あの映画でやってたシーンを再現したい」などと言うように、どうしても抽象的かつ概念的になりがちで、それらを実現するための「技術的な土台」への知識が乏しく、五里霧中で百鬼夜行な作業に陥りやすいのが現実です。

アンリアルエンジンというゲームエンジンは、ゲーム好きでもあるぼくにとって馴染み深い名前でしたし、親しみさえ感じます。また、開発スパンも非常に早く、下手をすれば毎週毎週の勢いで機能の更新が行われ、次々に新たな可能性を開拓してくれます。しかも基本的に無償で使えてしまうので、いきなり大ヒット!でも生み出さない限りは、個人の環境で好き放題にコンテンツ制作に没頭できる素晴らしいツールです。

しかしながら、新機能や既存機能の更新が多岐にわたるからこそ、個人でそのすべてを追うことは不可能に近いのが現実ですし、高機能かも知れないけれど分かりにくくて面倒なモノであるならば、デザイナーサイドの要望としては「別のやり方ないんですか?」という方向にシフトしてしまうのは当然の結果である、と思います。

ベネフィットという概念

マーケティング分野の用語として、よく「ベネフィット」という言葉が使われます。あるいは医療分野などでもリスク/ベネフィットというような対比を使って、ある医療行為の根拠(エビデンス)をプレゼンテーションしたりします。

これをCG分野に当てはめると…

「○○というキャラクタのCGを作りたい」という欲望(ニーズ)があるとき、それを実現するためにはどうすれば良いか?を考える必要があります。Mayaを使おうか、Blenderが良いだろうか、それともZbrushを使うべきだろうか…

様々な選択肢はありますが、それらのツールを使うためには当然コストがかかります。CG制作を行うのに十分なスペックのPCはあるのかどうか?ツールを購入するための資金はあるのかどうか、モデリング技術を習得するための学習時間も立派なコストの一部にあたります。

ベネフィットという言葉の意味は、使用者(利用者)利益とでもなるのでしょうか。
つまり、なにかを購入したり、選択することで得られる利益のことです。

たとえばコンパクトデジタルカメラスマホを持っているのに、デジタル一眼レフに高いお金を払って購入する理由はなんでしょうか?より綺麗な写真を撮影したい、それをどこかで発表して注目を集めたい、プロカメラマンになりたい…などなど、デジイチを購入して得られるものは、デジイチを所有することではなく「より良い写真を撮影すること」にあるわけです。

これがベネフィットです。

その「より良い写真を撮影できそうな根拠」として、レンズの性能や、撮像素子の解像度、高速なオートフォーカスや露出機能が挙げられます。しかし、これらはあくまで根拠に過ぎず、実は必ずしも必要なものではないかも知れません。

デザイナーサイドの欲望は「すてきな絵を描きたい」であるべきです。そのための必要要素として、良い画材やソフトウエアがあるのであり、技術の習得やソフトウエアの機能強化による恩恵は「過程」の話に過ぎません。

ですから「Zbrushをマスターしたい」だとか「SubstanceDesignerを覚えたい」というのは、あくまで過程であって結果ではありません。デザイナーサイドのベネフィットは、それらのソフトウエアを駆使することによって「より良いデザインを実現すること」にあるのであり、なんらかのソフトウエア縛りを行うことによって、結果が遠のいたり、技術の習得だけが主題になってしまうようであれば、なにかが間違っていることになります。

ぼくがBlender→UE4記事を書く意義

というわけで、ぼくは専業のゲーム開発者ではありませんし、3D CGだけで仕事をしているわけでもありません。グラフィックデザイナーです。ただし若干「IT寄りの」仕事をしてきたため、基礎的なプログラミングやUI/UXについての知識や実績があります。また、かなり以前の話になってしまいますが、ゲーム制作の現場にも携わった経験があります。

さらに言うならば、EPIC GAMESさんとはなんの関係もありませんし、Blender開発者ともAutodeskとも一切関係がありません。ですから、これらを「推す」理由はなにひとつ背景にありません。ただ「面白いコンテンツを作りたい」というデザイナーとしての欲望があり、それを実現するためのツールとして、UE4やBlenderが存在するだけのことです。ですので、より結果に「近道できる」ツールが出てきたならば、いつでも古いツールは切り捨て、乗り換えてしまうでしょう。

世の中には、ぼくのようなスタンスで仕事をしている方、創作活動をされている方はたくさんいらっしゃると思います。しかし、会社や契約に阻まれて、なかなか「知識の共有」ができていないのが、日本の制作界の現状と思っています。

実を言うと、かつてはさまざまなゲームMODを制作するブログ記事を書いていたこともありました。しかし、当時はTwitterなどのSNSがそれほど発展しておらず、それなりの反響はありましたが、なにかを「共有している」感じはありませんでした。

しかし今であるなら…こうした記事を発信することで、なんらかの「共有」ができるかも知れない。「え、なに?そんな簡単にできるんなら私もやってみようかしら」と思ってくれたりするかも知れない。そうはいかなかったら仕方ないけど、ゲームエンジンを使ったコンテンツ制作の知識が広く共有できたらいいよね?だとか。

そうした「ぼく自身の」欲望にもとづくたのしい毎日が送れたらいいな…とうのがエントリを書く動機です。

さて「序章」っぽく演説的な記事を書きました。次回からは、再びテーマごとに解説していこうと思います。

それでは!