当たったらどうすんだよ

当たらなければどうということはない

ZBとBlenderでUE4用のキャラを作る #7:ZBでラフネステクスチャ?

というわけで第7回。
本当は前回でこの内容も押さえておきたかったのですがwついつい周辺知識のことなども書いていたらボリュームが大きくなってしまったので記事を分けました。

今回のお題ですが「Zbrushで作れないはずのマップを作る」のがテーマです。
まずは、前々回でディティールを入れたミドリさんのボディを複製します。

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↑はい。
あとはポリグループごとに白黒でポリペイントしてテクスチャとして書き出すだけです!おしまい!

ええええ?

簡単すぎるって?ww

仕方ないなぁ…さらにひと手間加えますかw

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↑こんな感じにラフネスをペイントしました。

  1. Mask By CavityやMask PeakAndValleysなどで凹凸に応じたマスクを生成
  2. Shift+Ctrlでポリグループ単位で表示させつつSprayモードで自然なランダムさを与えつつモノクロだけでポリペイントする
  3. テクスチャマップとして出力

以上です。
何度か説明したようにラフネスマップでは「黒いほど鏡面仕上げ」になることを念頭に描けば、それほど難しいことはないでしょう。(と言ってるそばから靴のペイントがこれじゃ反対だ!と気付いて修正w)

こうして出力したテクスチャをさらにフォトショでハイトマップと合成したりすれば、さらに詳細なラフネス用テクスチャが作成できます。

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フォトショップでハイトマップを反転させてハードライト合成したテクスチャ

このように、必要なテクスチャの性質が分かっていれば、原理的にはどんな3Dペイントソフトを使っても必要なマップを作成することができます。

またフォトショップの2D描画だけでも、UV配置を画像としてエクスポートし、そこに白と黒でペイントすれば、マテリアル用のマスク(ブレンドマスク)を描くこともできてしまいますので「ぼくの持ってるソフトはスペキュラとか出せないんだよなー」などと嘆く必要はありません。

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↑Cyclesでレンダリングした例

最後に、SubstancePainterなどのマテリアル用テクスチャ専門ペイントソフトを使うと、曲率マップやシックネスマップなどという、よりマテリアルの性質に応じたテクスチャを作成するだとか、ハイポリから転写するスタイルのポリペイント(頂点ペイント)テクスチャとは違い、最初からUVに対してテクスチャリングをしていくスタイルのペイントができますので、特にローポリゴンのテクスチャリングには威力を発揮します。

UE4などのゲームエンジンでは、サブディビや変位マップ(ディスプレイスメント)がそのままでは使えませんし、使えたとしても大幅なパフォーマンスの悪化が見込まれるので、ハイエンド環境ですら難しいのが現状です。

ですので、昔ながらにUV配置を吐き出して2Dでテクスチャリングを行うことも、ゲーム系キャラを自作するのであれば押さえておきたい重要なポイントになります。

それでは次回からは、いよいよゲーム向けのリグ付けについて解説しますね!